「Mr.S」〜ライブDVDの話③〜
彼等の凄いところは、リアルに「今が一番いい」ところ。
前回、前々回とライブDVDを褒めちぎってきましたが、そうして感動して絶賛したとしてもそれは過去のライブ映像なのです。どうしようもなく過去の映像作品なのです。
「MIJ」は間違いなく国民的アイドル全盛期・売り上げ1位のライブDVDです。
その後も単独アーティスト初の国立競技場ライブを成功させた「SAMPLE」があり、各ジャンルの著名人とコラボレーションした「GIFT」もある。
あんなに映像の前で感動した自分もいる。
その事実に間違いはない。
間違いはないのに、
最新のSMAPが一番格好いい。
「Mr.S」が一番いいと、本気で思わせてくるSMAPのポテンシャルたるや。
常に全力と言い切る彼等だから、いつもいつもその時々最高のパフォーマンスをしてくる。
それなら当然、アイドルは人の魅力のプロですから。作者の死後も輝き続ける作品や名とは違う。今この瞬間が最高なんだと、アイドルの、人の真髄を体現してくる(ほぼ)40代の男たち。格好よすぎろう。
そして、「Mr.S」は本当にギリギリだったのでしょう。
インタビューで中居くんが「しんどいです」と言っている以上、本当にしんどかったのでしょう。
何がってそれはライブの内容が物語っていますからあえては言いませんが、もしかしたらもう「Mr.S」の時はすでに彼等の未来が殆ど決められていたのかもしれません。
内容について語るなら、もう本当に全てが全力。緩急どちらもクライマックス。山が何回あるんだってくらい、まだ続くのかまだ出してくるのかっていうボリューム感が凄い。
だけど、わりとガチでクレイジーを感じる演出は「Battery」。
肉体は死しても魂は共に在る、と言わんばかりのジャンクション〜「Battery」の演出。
あまりに業を背負いすぎている演出にSMAPのライブで初めて怖いという感想を持ちました。
(その本気度があるからこそ好きなんですけど。)
ソロは次の記事でも書きますが、みんな気合入ってる。良曲揃い。大量生産のCDから熱を感じるなんておかしな話ですが、メンバーの生き方や決意、本音を窺わせる曲だからこその切々とした雰囲気。
リアリティの挟み込み方が本当に上手いと言いながら、この思いの込め方は尋常じゃないなと感じました。
どのライブ映像も好きです。
毎回、広いステージでファンだけでなく一般ウケもする構成を考え演じてくるなんて、本当にバケモノだと思います。
その中でも、何故「Mr.S」が個人的に一番のお気に入りかと言えば、彼等は「今がなによりもサイテイでサイコウ」を体現してくるから。
過去の栄光よりも今の全力と言わんばかりに思い切りパフォーマンスする五人の姿に、限界なんて感じない。
歳を重ねて尚魅力が増す人たちに尊敬しかない。笑顔と拍手を送る以外、一体何をしろと言うのか。脱帽するしかない。